測量作業の現場を追う-測量会社の1日の働き方
2024/06/01
今回は、測量作業の現場を追って、測量会社の1日の働き方を紹介していきます。測量とは、建物や道路、橋などの建設に必要な土地や地形などの情報を収集する作業であり、その重要性から、現在でも欠かせない仕事となっています。測量作業は、気象や現場の状況に左右されるため、一日のスケジュールは常に変動することがあります。しかし、その分、現場でのやりがいと、仕事を通じて技術を磨くことができる魅力があります。それでは、測量会社の1日の働き方を見ていきましょう。
目次
測量会社とは?
測量会社とは、建築物や道路、橋などが建設される前に必要となる、土地の測量や計測を専門に行う企業です。測量会社では、現地調査や測量データの解析を行い、建設現場の設計や施工に必要な正確な情報を提供します。また、地図の作成や土地の所有者・権利関係の調査も行い、土地の有効利用に向けたアドバイスや支援も行います。測量には最新の測量機器や技術が必要となりますが、測量会社はそれらを保有し、高度な測量技術を駆使して正確な測量を行っています。測量の精度が高くなければ、建設物の安全性や耐久性にも影響が出てしまいます。そのため、測量会社は建設現場における重要な役割を担っています。
測量作業で必要な機材
測量作業では、様々な機材が必要とされます。代表的なものは、測量機器です。建物などの大きな物体の高さや長さなどを測るためには、測量用のレーザー距離計が必要です。また、地盤の高低差を測るための水準器や高低差計なども必要です。他にも、測量する地点を確定するために、定点観測用の測量尺や自動水準儀なども必要になってきます。測量作業では、これらの機材を上手に使いこなすことが重要です。さらに、何よりも正確性が求められるため、機材の点検やメンテナンスも欠かせません。測量業界では、正確さとスピードを求められる現場が多いため、測量技術者は常に最新の測量技術や機材について学び、スキルアップすることが大切です。
測量作業の流れ
測量作業の流れには、現地調査、測量計画の策定、測量実施、データの整理と報告、そして後処理があります。現地調査では土地や建物の形状、特徴、地形などを調べ、測量作業計画を立てます。作業計画では、測量目的、測量方法、測量機材などを決定し、測量実施に必要な準備を行います。 測量実施では、設置点を決定し、測量機材を使って測量を行います。データの整理と報告では、測量で得られた測量データを解析し、資料や報告書を作成します。そして後処理では、測量データの処理や整合性の確認、バックアップなどを行います。 測量作業の流れは、正確さが求められるため、各工程を確実に実施し工程管理することが必要です。また、作業計画や報告書作成には、測量技術や法規制などの専門知識が必要となるため、測量士などの専門家に依頼することが必要です。測量業はその専門性の高さから測量士の常駐が定められています。
測量データの処理方法
測量データの処理方法には、様々な手法が存在します。まず、測量現場で収集したデータをコンピュータに取り込み、不要なデータを除去する処理が必要です。次に、データの整合性を確認し、誤差を修正するための補正計算を行います。 また、測量データは地図や3Dモデルなどの形で表現されることが多いため、データを可視化するためのソフトウェアを使用することも多いでしょう。このようなソフトウェアは、データの視覚化だけでなく、解析や編集、出力までを行うことができます。 一方、測量データの精度向上を目的とした測量計算や解析では、専門的な知識や技術が必要な場合があります。特に高度な測量やGPS測量においては、測量ノウハウと数学的手法に加え、コンピューターソフトウェアの専門知識が必須となるでしょう。 測量データの処理方法には、測量の目的や用途に合わせた適切な方法を選択することが重要です。また、正確なデータ処理には、測量に関する知識や経験、そしてコンピュータソフトウェアの運用技術を持った専門家を社内で内製化を進める事が大切です。情報データは測量会社にとって大切な資産となります。
測量士の資格と転職の可能性
測量士は土地の形状や地形、建物の位置や高さなどを測量し、地図や図面にまとめる仕事を担っています。このように土地の情報に詳しい測量士は、土木や建設業界をはじめ、官公庁や不動産業界などで求められる資格職であり、転職についても多岐にわたる可能性があります。また、コンピュータやGPS技術も使用して繁忙な業務をサポートし、研究開発や教育機関で研究職や教員職を目指すこともできます。測量士の資格は、国家資格として広く認知されており、独立して測量業やより専門分野である土地家屋調査士の資格を取得するなど幅広い分野での営業することができるため、起業家としても挑戦することができます。そのため、多様な可能性を秘めた測量士資格は、将来性が高い資格であるといえるでしょう。